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スギ枯れ病について�┻楮蠍�のスギ枯れ(2011.04.22)
もういちどおさらいしてみましょう。埼玉県のホームページによると次のように記述されています。 「日本では一九八六年に関東地方のスギ枯れ(写真)が「酸性雨が原因」と報告されて、一挙に環境問題の関心事となった。〜〜山の斜面に植えられた林業用のスギ林に梢端枯れが無いのは、林内が高い湿度に保たれているからである。」 ところが、宮崎県では林業用のスギ林で梢端枯れが発生しているというのです。まずは宮崎県林業技術センターのホームページのなかの2003年の調査報告「スギ葉枯性病害の大発生」を見てください。ここでは次のように記述されています。 「大面積の中・壮齢のスギ造林地で樹冠の色が褐変し、一部には枯れそうな木も見られました。いずれもスギの成長は良好でしたが、枝の下面の葉が赤くなって枯れ、樹冠全体、葉が少なくスケスケの状態でした。」 このページのスギ枯れの写真を見ると、梢端にはまだ枯れた枝葉が付いているので、枯れてからそれほど月日は経っていないと思われます。また「立地的な要因が影響している」とも指摘していますが、わたしもその通りだと思います。 わたしの言う「立地的な要因」とは、平野部が比較的狭く、海辺から50kmほど内陸へ進むと県境に達してしまい、そして三方向の県境を山脈によって囲まれているという宮崎県の独特な形のことです。 詳しく説明する前に、もうひとつ2004年の調査報告「スギの葉枯れ症状による衰退」を見てみましょう。注目したいのは 図−1 被害の進展状況で、スギの枯れ進んでいく様子をわかりやすく示している点です。これは、わたしのイメージしていた枯れ方とピタリ一致します。 まず、梢端より少し下の葉が黄変し枯れていきます。この状態でスギ枯れの進行がストップして年月が経過すると、梢端の枯れ残っているこちらのスギのようになります。次に上下に枯れ広がると梢端枯れに発展します。さらに枯れ下がると全体が枯れてしまいます。 次に、 図−2 被害の分布において、宮崎県のどこにスギ枯れが発生しているかわかりやすく示してあります。また、解説にも 「特に、県央から県北にかけての山間部に集中している」とあります。 宮崎県ではなぜ県央から県北にかけて、山間部の造林地でスギ枯れが発生しているのでしょうか。それは、図2のように、家庭ゴミの自宅焼却により発生した煙に含まれる塩化水素などの大気汚染物質が、逆転層の境界下で汚染層を形成します。その汚染層はたなびくように山間部のスギ林まで到達し、スギの葉を枯らしてしまったと思われます。 私の体験では、逆転層の発生している状態は風がないように思えて、実は南東から北西に向けてゆっくりと大気が移動しています。すると、平野部で発生した有害な煙は逆転層の下を這うように進み、宮崎県の県央から県北の山間部にあるスギ林を襲うことになります。ですから、県南ではスギ枯れは少ないわけです。 海辺から50kmほどで県境に達し、北部や西部を山脈によって囲まれている宮崎県の地形、そこに逆転層が発生し、さらに早朝に家庭ゴミの自宅焼却があったとき、というように、地形的要因と気象的要因さらに人為的要因がかさなって、宮崎県北西部のスギ枯れは発生していると考えられます。 ただし、2003年頃、家庭ゴミの自宅焼却は禁止されたわけですから、現在でもあらたにスギ枯れが発生し、そしてこれからもスギ枯れが進行していくならば、わたしの仮説は、宮崎県のスギ枯れには当てはまらないことになります。 関東地方においても、人家が近くにあればかつて家庭ゴミを焼却していたわけですから、山間部でもスギの梢端枯れは発生しているはずです。そこで2〜3日探してみました。
写真20写真は武蔵丘陵のスギ林です。谷筋の道路そって人家が並び、その背後がスギ山になっています。その中腹のスギが梢端枯れを起こしています。 下の方には人家の屋根が見えます。この、「人家がある」ということが梢端枯れの起こる必須条件です。
写真21こちらは埼玉北部の森林です。中央のスギが梢端枯れを起こしています。麓には人家が点在し、その前には畑が広がっています。 やはり、人家があれば山間部のスギでも梢端枯れを起こすのです。(つづく) | いままでの観察目次 | HOME | |