真実の光化学スモッグ プロローグ(2013.07.15)

写真1

写真はよく晴れた、暑い夏の日の午後の風景です。遠くのやまなみは青く霞んでいますが、近くの武蔵丘陵にある木々はハッキ リと見てとれます。風は、東よりの風が、ときに強く、ときに弱く、絶え間なく吹いています。

光化学スモッグは、夏のよく晴れて暑い、風の弱い日の午後、に発生しやすいと聞いています。ためしに目黒区公式ホームペー ジを開いて見ると、そこにも次のように定義されています。


『光化学スモッグは4月から10月にかけての日差しが強くて気温の高い、風の弱い日に発生します。特に太平洋高気圧に覆われる 7月及び8月は、気温も高く紫外線も強く安定した天気が続くため、光化学スモッグが発生しやすい気象条件になります。』

ところが、一般的に風が弱くなるのは夕方から明け方にかけてであり、日が高くなると風が出てきてしまいます。日中に風が弱くなるのは低気圧が近づいているときで、その時には雲が出てきて陽射しは弱くなります。真夏の日中に、陽射しが強く、風の弱い日がどれだけあるのか疑問です。あったとしても、それは極めて稀なことではないでしょうか。つまりわたしは、光化学スモッグの発生しやすいという条件が成立するのは、非常に難しいことではないかと思うわけです。


おそらく、光化学スモッグの先発国である米国のロスアンゼルスでは、夏の晴れた暑い日に風が弱くなることがあるのでしょう 。しかし、島国の日本では同じ条件が揃うことは、めずらしいというか、まずないと言ってもいいくらいではないかと思います 。


これから考える光化学スモッグとは、1970年(昭和45年)ごろに発生した、いわゆる「光化学スモッグ事件」についてで あって、その後、行政の観測網などが整備されてから発令されるようになった、光化学スモッグ注意報とは別物だと考えてもら った方がいいと思います。別者とはいっても、共通する部分はかなりあるわけですが、「最初の光化学スモッグ事件」は、あま りにも特殊なので、一応は分けておいた方がいいと思います。


それでは次回、まずは当時の新聞記事から始めたいと思いますが、わたしの頭の中ではすでに光化学スモッグについては完結してしまっているので、興味も薄れてきており、はたして思い通りに文章が進むかどうか始めてみないと分かりません。あまり期待はしないでください。




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