マツ枯れについてG(2011.10.05)

5.マツの新芽はなぜ枯れるのか

今観察している武蔵丘陵のマツに番号をつけておきたいと思います。まず最初に写真19の若木をマツ1とします。そのすぐ後ろにある梢端の新芽が枯れた写真20の若木をマツ2、その左隣をマツ3、右隣をマツ4、少し右に離れてマツ5、その隣をマツ6とします。どれも高さ2〜3mくらいですが、マツ6だけは高さ7mくらいです。

それから、マツノマダラカミキリは以後カミキリと表記します。マツノザイセンチュウについても以後センチュウと表記します。

写真23

マツ2の梢端の新芽はなぜ枯れたのか、ひょとしてカミキリに食害されたのかと思い梢端を観察してみました。枯れた新芽をもぎ取ると、こんな状態です。白い粉は樹液が固まったものでしょうか?

もしかして、カミキリは幹に侵入しているのではないか思い爪楊枝でつついて見ましたが、侵入口は確認できませんでした。しかし、カミキリに食害されたとしたら、すでにセンチュウに感染しているはずであり、近いうちに枯れてしまうはずです。





写真24

隣も観察してみようと思いマツ3を見ると、枝の中央の新芽が枯れています。長さ10cmほどの新芽ですが、枯れたのは左半分だけで右半分には成長した針葉がついています。





写真25

同じ新芽の葉を取り除き、裏側から写真に撮ってみてびっくりです。何かが新芽を食害した痕跡がはっきりと残っています。見ると新芽の中程から先端に向かって内部を食い進んだようです。いったい何者が食害したのでしょうか?





写真26

ならばマツ2の枯れた新芽も食害されたのかと思い、もう一度観察してみると、やはり侵入口がありました。こちらは侵入口が木屑でフタをされていました。そして、食い進んだのは先端ではなく付け根の方向です。付け根側の折れ曲がった部分が平になっているので、空洞であることがわかります。しかし、付け根の内部には侵入しなかったわけです。

前回、これらの新芽が枯れたのは6〜7月頃という結論に達しました。例によってこちらのページをみると、カミキリが枯れたマツから出現するのも6〜7月頃であるということです。時期的にはピッタリと符合します。やはり主犯はカミキリなのでしょうか?

しかし、成虫となったカミキリが侵入口にフタをするものでしょうか?空を飛んで移動するカミキリが、侵入口にフタをする理由がわかりません。さらに、この細い新芽の中に成虫がもぐり込めるのでしょうか?結論を出すのはもっと観察してからがいいようです。(つづく)



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