kausatu2011.03.16

スギ枯れ病について③(2011.03.16)

前回に引き続きスギ枯れ病についての疑問を紹介していきます。

写真９

写真９はｙ町のスギです。右のスギは先端が枯れていますが、左のスギは枯れていません。背の低いスギが枯れていて、背の高いスギは枯れていないのです。こんなことがあるのでしょうか。水ストレスが原因であるなら、背の高い左のスギが枯れていなければなりません。このようなパターンはあちこちに見られるのです。

写真１０

ｎ町のスギについても同じことが言えます。やはり背の高いスギが枯れずに残っていて、左手前に梢端枯れのスギを従えています。写真９のスギと同じようなパタ－ンです。背の低いスギが梢端枯れを起こしているのに、なぜ背の高いスギは枯れていないのでしょうか（疑問３）。水ストレス説ではどうしても説明できません。

写真１１

さらにおもしろいスギを発見しました。写真のスギは先端が枯れずに残っています。両側には枯れ残った細い枝が飛び出していて、まるで「やじろべえ」のようです。なぜこんな形をしているのか、水ストレスが原因なら先端から枯れていかなければなりません。ひょっとして、このスギは梢端枯れの途上にあるのではないか、と思っているうちに、さらに決定的な姿をしたスギを発見しました。

写真１２

このスギは比較的若いスギですが、先端が枯れ残り、その下の枝が枯れてなくなり幹だけになっています。まさに「風前のともし火」といった言葉がぴったりの姿をしています。なぜ、先端だけ枯れずに残っているのでしょうか（疑問４）。その後あちこち観察してみると、ここまではっきりと枯れないまでも、先端がくびれたように枯れ残っているスギは随所に見られます。むしろ、梢端枯れよりも多いくらいです。

ふり返ってよく見ると写真７や写真９のスギも先端がくびれています。こうしたスギを見ているうちに、ある仮説に辿り着きました。それは水ストレス説に疑問を感じたときから、うすうす気づいていたのですが、ここまできて確信を持つようになりました。次回は、いよいよスギ枯れ病の真実に迫ります。（　続く　）

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